軽トラの整備入門。ホンダ アクティ トラック 5速MT・HA9・E07Z。
2011年から、新車で走り始めて215,000キロ。まだまだこれから。希望を込めて。
いくらやっても、冷却水のエア抜きがエンドレス作業。抜けたかな?と思っても、一度走るとまたダッシュボードの奥でジョロジョロ言ってます。
ヘッドガスケット抜けで、シリンダー内の排気ガス?圧縮混合気?が冷却水経路に入ってしまってるみたい。
最初の頃は、前の方でたまに「チョロチョロ」言っている感じだったでしょうか。何の音だろう?と思っていましたが、この前兆だったとはその時は思いもよらず・・・。
ホンダ アクティトラック HA9(当時のサービスマニュアル参考)
冷却水量(分解時・リザーブタンク0.9ℓを含む) MT 6.88 ℓ AT 7.50 ℓ
冷却水量(交換時・リザーブタンク0.9ℓを含む) MT 4.86 ℓ AT 5.37 ℓ
冷却水推奨交換時期
第1回目 新車から10年・または200,000kmのどちらか早い方
第2回目以降 6年ごと・または120,000kmごとのどちらか早い方
指定液 Honda純正ウルトラeクーラント
ジョロジョロ言っているからすぐにガスケット抜けと結論付けるのは早計な気がします。わたくしも「それ以外だろうと」当初は希望を込めて何度もエア抜き等試みました。が、しかし、どうやら、と。
まず、なぜジョロジョロ言っているかと言うと、冷却水経路にエアーが噛んでいるから。ヒーター経路?
なぜ噛んでいるかと言うと、冷却水不足・冷却水経路のエア抜き不足・冷却水経路からの漏れなど他、色々原因は考えられる。水不足の場合、なぜ冷却水が不足したのか?そこが問題。
ラジエターキャップも長年使用で交換歴が無ければ、交換しておいた方がよい。
今回は、冷却水は入っているけど前の方からジョロジョロと・・・。
エア抜きしても、一度走ると(エア抜き→走行→エンジン停止→しばらく後・始動)ジョロジョロ音がする・・・。潺か。
もちろん整備工場に持って行って計測機器で測れば話は早いと思います。専用液や、排気ガステスターなど、目に見えるモノ判断可能。
それでは面白くないので、まず自分でできる事から。
この症状に気づく前の状態にもよりますが、音が出る様になったら、まず外見(冷却水経路)の漏れチェック・冷却水の量・色確認(リザーバータンクも)・少なければ補充・そして入念にエア抜き・ラジエターキャップの交換(何年も交換していない場合)をおススメします。
それでもダメならヘッドガスケット抜けが候補に残る感じでしょうか。
冷却水リザーバータンクのアッパーレベルは意外と下の方に印がありますので、冷間時に容器いっぱいまでLLCを入れてしまうと吹き返しますのでご注意ください。経験あり。
この症状、漏れ止め等の添加剤を入れている場合は特定しづらくなる事もあるかもしれません。
金属も水も、温まると膨張・冷えると収縮しますので、その事も加味。
他の要件(冷却水が関係する修理・整備)で、整備工場に出して間もなく症状がだんだん出てくる状況も無きにしも非ず。エア抜きが不完全だった事、考えられます。漏れてない・頼んでいないのに「念のためラジエター漏れ止め入れておきました」など、余計な事されている場合はちょっと怪しい。否定する訳ではありません。それも一つの方法なのでしょうたぶん。
他の整備工場で確認・再度エア抜きなどしてもらった方がいいかもしれません。もちろん整備は完璧で、たまたまタイミング悪く発症した可能性もあります。
わたくしの場合、計器などで測定してませんが、自己診断・消去法でヘッドガスケット抜けと判断し、今回作業に至ります。
ガスケット交換しても症状が変わらなかったら?と考えたりもしましたが、それは作業自体がうまくいかなかったか、他の冷却水経路の何らかの不具合と言った所でしょう。その時はその時。
この作業、やらないと先に進まないと自分に言い聞かせて。
本件とは関係ありませんが、ミッションオイルはホンダ純正一択であります。他社の良いギヤオイル?を入れていた時期もありますが、しばらくするとギヤ鳴り。他のメーカーのオイルを入れてみても同様。入れてすぐは良いのですが、しばらくするとクラッチをしっかり踏んでもギヤ鳴り。内部部品(シンクロなど)が摩耗してギヤ鳴りし始めたのかな?とも思いましたが、オイルを純正に戻したらまもなく、ギヤ鳴りしなくなりました。
「 Honda純正 ウルトラMTF-Ⅲ 」MTのトランスミッションフルード
マニュアルトランスミッションフルード。ホンダのミッションは相性があるみたい。シャバシャバ系。
バックギヤに入れる時にギヤ鳴りする場合がありますが、バックに入れる時は一度1速に入れて少し繋いでからバックに入れるとスムーズ。それを習慣づける。
本題の、ヘッドガスケット交換。
タイミングベルト関係も、前の交換から10万キロを超えていますので、その辺りも兼ねての作業になります。
作業の結果から申し上げますと、タイミングベルト交換×3くらいタイヘンな作業でした。
アクティのタイミングベルト交換も、自分でやるのは初めてなんですが。
ホンダのコレ系エンジンの持病?ダッシュボードの奥からじょろじょろと音がし始めてからかれこれ数年が経過。その間に、走行時は水温計(レーダーOBD2アダプタ使用)にて水温チェックと、漏れ止めケミカル+定期的にエア抜き(冷却水)で延命していました軽トラック。走行距離が21万5千キロに達しましたので、タイミングベルト交換の流れで、作業してみる事にしました。調子は悪くないけれども。
この年式くらいから対策されているとの事でしたが(最後に追記)、どこをどう対策したのだか?単にリコール?サービスなんとかの対象を外したかっただけ?
ちなみに10万キロを超えた辺りで、自動車整備工場(○○モータース)にてタイミングベルト関連部品は交換してもらっています。ベルトは全然大丈夫だったみたい。関連部品の寿命もありますので。
その整備(タイミングベルト類交換)の引き上げ時、ベルト張りすぎ?唸り音が出ていて、再度調整のため整備工場にリターン。伸びるの前提で張ったとの事。まあいいんですけど。他にも思う所があり、次は自分でやろうと決意。
車体を少し上げ、横のアオリを外して、作業開始。
ダイレクトイグニッションのコイルを外し、プラグの入っている穴を覗くと、少々オイルが溜まっている・・・あれですか、Oリング劣化による滲み溜まり。
下に潜ってまず触媒を外そうしたのですが、カバー(遮熱板)のナットが錆びて、原型を留めていない。前日にラスペネ(又はスーパーペネトン)を吹いてはおりますが、難航。スタッドボルトごと抜けてきたり。
スプリングの付いたボルトは1本折れました。
「ちょっと強引にやってみる」と言う技(ワザ)を駆使して、触媒摘出。
後ほど錆びたボルトナットをサンダーで削ったり、ドリルで穴をあけたりして、なんとかリカバリー。
結構な錆び具合は、雪国を走っていた影響かもしれません。融雪剤等。
次の難関、クランクプーリーの取り付けボルトは、噂通り強敵でした。手持ちの工具では歯が立たず、新たに工具(ロングのブレーカーバーとホンダ用プリ―ホルダ・工具)を追加購入。
ボルトは外れても、プーリーなどがスムーズに抜けてこない。以前タイミングベルト交換を自動車工場に出した時にインパクトで締めてるっぽい。締めすぎで少し変形?
後から自分でやると、そう言った粗が見えてきたりもします。オイルシールを外すのにこんなにキズつけてるよなど。そこにはもう行く事(整備を頼む事)はありませんが、たまに前を通りかかると、結構車は入庫しているみたい。まあいいんですけどね。他の車はちゃんとやっている事を祈ります。
カバーを外すとタペット関係が見えます。このゴムシールとは別に、奥にOリングが入っている。
タペットの隙間も少し広いか。
色々外して、シリンダーヘッド摘出。
剥がし難いガスケット↓。ここは再度組む時、液ガスを薄く塗ってみました。自己責任です。
昔購入した、ガスケットはがしのケミカル(スプレー)を持っていましたが、ガスが抜けていて使用できませんでした。
プラグホールに少々オイル溜まり。原因↓Oリング劣化。2重に措置を講じてほしい部分。そんな事を思いつつ、もう製造してませんねアクティトラックは。
吸気側のバルブステムシールが一つだけ色が違う(他メーカー?)が付いていました。新車時から手を付けていない部分ですが、なんで?
シリンダーブロックに付いている、オリフィスのOリングを交換。
タイミングベルトテンショナースプリングも交換↓。上側が新品。長さが違う。改良版?
これは純正部品で、ディーラーで調べてもらい、注文した品。
前後しますが、メインディッシュのガスケットは、交換し甲斐のある状態でした。
これでも、一度もオーバーヒートランプは点灯した事はないのです。
作業前の車両の状態は、冷却水のエンドレスぶくぶく以外、エンジン好調。水温比較的安定。添加剤入れたから?メーカーの対策効果?その辺は不明。
前回のタイミングベルト交換後からじょろじょろ言い始めましたので、その状態で10万キロくらい走っているかもしれません。
今回交換した部品。他にインテークマニホールドガスケット(剥がすのがタイヘン)・冷却水等(5Lくらい)。エア抜き後に、NGKのRXプラグ3本交換。
シリンダーヘッドガスケット交換に際し、合わせ面の面出しが結構たいへん。特にシリンダー上面。スリーブの面がなかなか出ない。やりづらい。
部品(ガスケット)を交換するだけでは、すぐにまたなる可能性ありますので、面出しはある程度やった方が良いと思われます。シリンダーヘッドを下ろすついでに、バルブステムシールも交換しました。軽くバルブ擦り合わせも、久々にタコ棒で。今度シリンダーヘッドをやる時は、バルブ交換・ガイド打ち換え・シート修正又は打ち換えコースでしょうか。
EX側スタッドボルト・ナットは全部交換。他錆びたボルトなども交換。
シリンダーヘッドガスケットセットと言うのが、3千円しないくらいでホンダから純正部品で出ている。一見セットで揃っている様に見えるが、足りない(交換したい)部品があるので、追加注文が必要。この値段設定は、思惑を感じる。
ホンダの整備書(CD-ROM)を参考に作業を進めました。それによるエア抜きは、一部簡単に抜粋すると、まず最初にフロントを50㎝上げて冷却水を入れブリーダー解放・締め、降ろして水平にしてブリーダー作業、補水・ラジエターキャップ1段締め、1500rpmでファンが2回回るまで。詳細が気になる方は整備書をチェック。
品番等、気が向いたらマトメようと思います。
このサービスマニュアル(CD-ROM)は本来当時のインターネットエクスプローラーで開くタイプ。
マイクロソフトのエッジで、インターネットエクスプローラ対応させてで開く訳ですが、いつもすんなりいかない。何度かやってやっと開ける。一度パソコンに入れたのを開く様にした方が多少スムーズ。
その後千キロ以上走行。作業直後からジョロジョロは解消されました。快適。
走行中の安定する水温も、以前より2℃程下がりました。これは冷却水を新規に入れ替えた効果もあるかもしれません。
高速道路全開走行や、一般道の渋滞にハマれば水温は上がりますが、以前より穏やかな印象。
一般道の通常走行時(走行風が当たっている時)は84℃くらいで安定。
下(トルク)が増えた?と言いましょうか、回復したのでしょうか?以前より回さなくても走る様になった気もします。燃費は測っていませんが、回さなくて走れば多少伸びる事でしょう。
最近は、クーラー使用時の(差)パワーダウンが気になります。
やはり、年式などにより変更されている部品もあるみたいなので、発注ミス・整備ミスを防ぐため、こちらのブログで品番等の追記する事はやめました。
追記
症状が気になり出して間もなく、タイミングベルト関係をお願いした整備工場(○○モータース)でその話をしてみたら、メーカー保証対応期間が延びた?らしき情報をもらったので、まず近くのホンダディーラーに行って聞いてみました。それによると、製造年式(車体番号)や、走行距離によるとの事。当車両は該当していない。製造番号的に、何だか対策後の車両らしい。走行距離もタイミング交換を一度やっているので、10万キロは越えている。すでにその時点で対象外か。そういえばついでに思い出しましたが、タイミングベルト交換(○○モータース)してもらった時に、頼んでないのにラジエターの漏れ止め入れておきました~と言われた事を思い出しました。漏れてないのに何で?予防か?と、その時は特に気に留めておりませんでしたが、これに繋がるのか?まあもう問題は解決していますので不問。
この関連事項に関しまして、メーカーの対応が現在はどうなってるかわかりませんが、気になる症状が出ている場合は、一度ディーラーで無償交換対応していないか確認してもらってもいいかもしれません。同様の症状が他にも出ていないかなど。車検証持参で。
長らくエアコンフィルター無し仕様でしたので、エアコンフィルターを追加しました。
軽トラにエアコンフィルター(ホンダ アクティHA9)(外部リンク)
ブローブボックスを外したり、カッターで入口部分を切り抜く作業が必要。
取り付け後は、室内のホコリがあまり気にならなくなった。
フィルターを定期的に点検・交換する必要は出てくるが、良い。
ファイテンオフィシャルストア