年季の入ったボール盤を整備

吉田(YOSHIDA・ヨシダ)の100Vタイプ。新たにウチに来た古い機械。一応電源は入って回る。

思っていたより、デカくて重い…。

電源コードの劣化具合と油気の無さが「整備してから使いなさい」と言っていたので、各部給油・点検・修理してみます。モートル・スイッチは東芝製。

仕組みを見ながら、すでにバラシ始めた後の写真⇩。油っ気が無くなっていて、動くべき部分(ベルト調整レバーなど)が動かない。もうグリスやら、油やら、防錆剤やら、そこいらじゅうに塗りたくっています。適材適所。

ぬりぬりと。

錆びかかった部分が油で潤ってくる様子をニヤニヤ眺めつつ、だんだん可動部分がスムーズに動く様になってくるのが楽しい。

ベルトは「A43」が入っていました。

いつの時代のモノなのでしょうか?使用・保管状況の問題?

Aji ga demakutteiru. これは色を塗ったりせず、このまま油で錆を止めて育てましょう。

電源コードの劣化は、ある程度の年数が経つとしょうがない。

これは危険な感じ⇧ベスパのコイルからの配線ではありません。こっちはAC100V。

オリジナルのスイッチは(本体ON/OFF・照明)まだ生きているので、分解・接点スプレー。ひとつづつ分解できる。

電源コードは表面のひび割れ+中の配線被覆は溶け気味だったので交換(15Aアース付き5m・正和電工修理用取替えコードS-VCT黒3C)。ハンダの感じから見て、電源コードは過去にも何度か(一度以上)交換されているのでしょう。パイロットランプも最近の緑のLEDに交換(←元々付いていたのが電球かと思ってバラそうとしたら破壊。LEDだったみたい。後付け?)。ベルトも新品A43(今回はバンドーのスタンダード)に交換。作業灯(白熱灯)が切れていたので、それは後日LED球にしようと思います。そこら辺は近代的に。

交換後、試運転では調子良し。

定位置を決める前に、この重さに耐える頑丈な専用の台が必要と思われます。

実家のミシンを整備(三菱電機製・家庭用)

前回、ミシン(JUKI HZL-7900)メンテナンスの時に、駆動部分の多さ・給油の重要性を実感しましたので、実家から(懐かしい)ミシンを持って来てメンテナンスしてみる事にしました。

たまに使ったり、油をくれたりしているとの事。嫁入り道具?

中の道具箱にミシン油は無かったので、どの程度の給油・メンテ状況なのかわかりません。

このミシン。昔、おしえてもらって何か縫った事がある様な無い様な遠い記憶。「直線縫いだけ」だった気がしていましたが、あたらめて今見てみると、切替スイッチによってたくさん選べる仕様。

縫いの種類は最近のと大して変わらないかも。(HZL-7900しか知りませんが)

押さえ圧や、上糸下糸など調整などは全部手動なので感覚が養われる。すぐにはできない、練習が必要。

留具をズラすと後ろに倒せる仕組み。ケース裏には倒れ防止の引き出し式ステーがついていました。

手軽に裏側が見れて給油などできるメンテナンスしやすい作り。好印象。

当時のしおり発見。それと、なぜか楊枝が刺さっている。

その後、楊枝を外しても問題無い事を確認しました。布送りを強制的に上げて固定していた模様。

上の蓋をとってみると、思っていたよりメカニカル。電気的なスイッチ切替式を予想していましたが、ちがった。すごい機構。カムやらシャフトやら切替による動きが、どこでどうなるかよく分からない。コンピューターミシンを開けた時より感動。プラのギヤ一部が欠けていた。使用には問題なさそうな部分。

はずみ車?右手で回すやつを少し動かしながら、可動箇所を確認して給油。

モーターから動力を伝えるベルトのひび割れを発見。

ベルト番号が確認できたので発注。今でも普通に買える(流通している)。

ミシンベルトの長さは5~10ミリ刻みであるみたい。幅は(ミシンベルト)規格で、あとは長さか。

ミシンスピードのH/L切替スイッチあり。これはいいかも。

フットスイッチ(足踏みスイッチ)も分解・給油。雰囲気的に、この白いのは開けませんでした。外側の接点に復活剤シュっと。踏み蓋の支点部分がヒビ・ピン抜けありましたので、修復。

そして新品ベルト⇩(右)。これは500円前後だったと思います。「三ツ星 ミシンベルト MB345」

外した方は左側。最初から色が黒いベルトなのかと思いましたが、経年変色してこの色になった?ありえる。

ベルトは給油ポイントではありません。

ウレタンベルトなので、耐油性にすぐれているらしいですが、触る時は接触面に油分が付かない様に注意。油分が付いたら取り付け前に脱脂。ベルト受け側も同様。過度な脱脂は、また劣化を早めるので、適度に脱脂。

張り具合については、正式にはベルトテンショナーなどで数値見ながらやるんですかね?

わたくしは「感覚」で張り調整。モーター側のプーリ―小さいなぁ。

張り過ぎ注意。しかし、緩過ぎれば滑る。空回りや動力伝達不良で力が出ない・ベルト内側の変摩耗・発熱・劣化につながる。張り過ぎたらそれも寿命が早くなり、ベルト切れ・モーター・プーリー・軸受けが傷む。と思いますたぶん。初期伸びもあるのでしょうか?緩く感じたら張ればいいだけ。温まると張りが強くなったりする場合もあります(バイクなどでは)。この辺もたまに見ておいた方がいいと思われる部分。フタを取らなくても調整できるみたいですが、外して張り具合を見ながらやった方が確実。取り付けボルト・ナット関係の増し締めもできますのでついでに。

試し縫いをしてみて、再度張り具合を見てからフタをする感じの方がよいかも。

接点には接点復活剤・各駆動部給油・グリスアップ。プラスチックの割れは、プラリペアで広がらない様に補修。昔のミシンの方がメンテナンス前提に作られているので、給油しやすかった。可動部分が多いので、コマメに給油してくださいって事だと思います。給油後、作動音は静かになりました。

まだミシン2台目ですので大きい事は言えませんが、これでまだしばらくは使えそうです。

油圧リフト台車 勝手に下がってくる不具合を探る④

迷走中の油圧リフト台車、弁にボール(鉄球)を3か所使っております。

すでに結構使い込まれた感じの台車なので、ボール交換と、当たり面磨きをしてみる事にしました。

あまり(わたくしの)頭が回転しません。

入っていた球が標準サイズのモノと想定して、念のためボールを各サイズ、小サイズ1・同サイズ1・大サイズ3種類手配。ついでに、使えそうなオイル注入口キャップも準備。

この使い込まれた台車に最初から入っていた球のサイズは、3個ともノギス測定で6.3㎜くらい。

一番近かったのがインチサイズの1/4で、ミリ変換したら6.35㎜。たぶんコレが使われていると思われる。準備したのは、その下サイズだとミリで6㎜・上は6.5㎜・インチの17/64・ミリの7㎜。見当をつけて見ていたラインナップには、この辺の鋼球(精密ボール)ミリサイズとインチサイズがあって、インチに慣れていないわたくしはミリに変換しないと分からないので不便。しょうがないですが。

配管部品なども規格がインチだったりしますね。


オイル注入口のゴムキャップ。

「穴あり」と言う事と「OILの文字」が気に入って取ってみましたが、やはり専用品ではないので元穴とサイズ?形状?が合いません。栓のささる部分が逆テーパー形状になっていた。スペーサー代わりにOリングを入れて、半ば強引に挿入。

浮いた感じですが、なんとなくハマりました。台車を動かした時に漏れなければいいでしょう。オイルの入れすぎに注意。

少しこれで様子見ます。

これの前にジャッキ用空気栓?を付けたのですが(サイズピッタリ)ほぼ密閉栓らしく、台車を上げてフタをズラすと負圧(減圧?陰圧?)でシュッ。台車を下げて栓を取ろうとすると加圧でプシュ。それが気になり、今回は穴が開いているタイプにしてみました。密閉気味の方がオイルの劣化(酸化?)防止には多少効果ありそうですが、余計なオイル漏れも引き起こしそう。

これで上げた時も下げた時も、外気と同圧になる事でしょう。このオイルは空気に触れると良くないのでしょうか?タービンオイルの特性は不明。ブレーキフルードは吸湿性があるので、密閉状態で仕事してくれていますが。


コンパウンドと割り箸で、当たり面を磨き(感覚で)。ボールを各種全部試してみました。

あまり変化無し。たまに無負荷で好調な時もありましたが、負荷を掛けると元に戻る…。

捨てたくなる気持ちをグッとこらえて、再度見直してみます。この作業にも慣れてきた。

ん?

そういえば一か所、ここは外さなくて大丈夫だろうと最初に思って、手を付けていない所があるのに気付きました。リリース部分の筒。ナットとイモネジで止まっている部分。外してみました。

あゝ痛々しいOリング。はじめに外してチェックしておけばよかった・・・。わかりやすい損傷具合。

右側の小さい方⇧が激しく損傷。

⇩一番左。

持っていたOリングセットの中で、合いそうなサイズをぶち込んで、ボールサイズを標準と思われるサイズ(新品・1/4インチ・ミリだと6.35㎜?)に戻して組み直し。

エア抜きして手ごたえアリ。遠回りしましたが、コレだったっぽい。リリース筒部分のOリング(下部)。今まで下がっていた負荷を掛けて上げてみても、今回は違います。いいんでないかい?

手ごたえを感じましたが、まだ信用してないので、しばらく様子見。頻繁に上げ下げテストをしていたら、シリンダー部のオイル滲みも気になる感じに。

まあ、この修理についての流れについて思い返してみますと「先入観による思い込みで見当違い」と言いましょうか、「迷宮入りしそうになったら、最初に戻って見直してみる事も大事」と言いましょうか。勉強になります。

以上の結果から、この台車に使用されているOリングは、①当初思っていた6個+今回④の2個で=合計8個使用されている。外にオイルシール1とOリング押さえ。

台車を立てて作業すると、あまりオイルが抜けない(無駄にならない)事に気づきましたので、作業時は立てて外し・交換作業しておりました。溶接時もオイルを抜かずに作業。

度重なる過酷な状況で、すでにオイル交換したい感じになっております。

くやしいので、今回取り揃えた鋼球(精密ボール)は、コレクションとしてたまに眺めますか。


この手の油圧を使った中古品を購入する際(完全動作品との謳い・それなりのお値段の場合)に自分で動かしてテストできる場合は、負荷をかけた状態で上下(テスト)させてみましょう。できれば最大積載量を載せて15分2%以下の降下率。無負荷では上下・静止問題無さそうに見えても、モノを載せると症状が出る場合あります。予算的に新品も視野に入れられる場合は、新品が良い。現行モデルは改善されていたり、保証付きなど。どうせなら不具合が出たら修理可能(細かい消耗品交換が可能)な商品がいいですね。

激安品でしたら修理前提で挑戦するにはいいかもしれませんが、モノ・箇所によっては非分解式・部品が出ない・逆に高額修理になる可能性もある。ダメなら流用・加工ベース。との教訓・再確認いたしました。